Supercell's synthetic pop wins real fans

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/fm20100205a1.html
2chより訳

スーパーセルの合成のポップソング、ファンを獲得


ダニエルロブソン
日本タイムズ紙に特別寄稿


「ほとんどの人は自分の意志でミュージシャンになり、成功を求める」と多くの楽器で才能を発揮する
アートポップグループのRyoは言う。「しかし、私はただ曲をなんとなくニコニコ動画(動画共有サイト)に
アップロードしただけ。そのサイトの人たちは、本名でなくユーザー名で交流し - とはいってもRyoは私の本名ですが -
自分の本当の身元を明かすことはありません。それは自分たちの世界であり、それは単にしがらみだからです。」


と、彼はなぜ今まで彼の本名、年齢、顔、性別さえも秘密にしていたのか説明する。そのこともこの非凡なグループの
神秘性を高めた要素の一つだ。スーパーセルの音楽は、AikoYui、アニメのテーマソング(アニソン)に代表される
感傷的なJ-POPの文法に基づきながら、よりジャズテイスト、アップテンポでダンサブルな要素を加えたものだ。
しかし、ニコニコ動画で最初に注目を浴びたのは2007年12月のデビュー曲『メルト』(初のオリジナル曲の意か?)で
この曲は彼一人が作成し、ドラム音源、シンセサイザーなどを用いボーカルさえも音声合成ソフトだ。


実際のところスーパーセルの初期のボーカルは歌のうまい女の子という訳ではなかった。
彼女はヤマハの技術者によって作られ、初音ミク(16)と名づけられ、箱詰めされ、15750円の値札がつけられたVocaloidという
ボーカル合成ソフトの一つだったのです。


「他のシーケンスソフトとは非常に違っていました。」Ryoは長い黒髪で輪郭の隠れた30代の顔のやさしい声でそう話す。
「通常の音楽は"ドレミ"のように音の高さで構成されますが、Vocaloidは同時に発音も入力しなければいけません。それまで
音楽は(1オクターブに)12個のトーンスケールで構成されると考えていたのですがそれに音節を考慮に入れるとそれの12倍、
日本語の音節はいくつでしたっけ?48?それで始めて歌詞の重要性を認識した訳です。」


『メルト』は動きのない一枚絵であるにもかかわらず、ニコニコ動画で驚異的な500万ビューを達成し、
Supercell(この名前は非常に激しい雷雲群の名称から取られた)が昨年Sonyと契約するまでにも
立て続けに自作曲をヒットさせた。彼らはバンドというより産業といってもよいものだ。
Ryoをグループで唯一の音楽家とし、三人のイラストレータビデオゲームアーティストHuke
デジタルイラストレーター Redjuice と漫画家三輪士郎)とデザイナーの Yoshiki Usaが
緩やかに連携している。彼らの共同作業で、作曲からCDのパッケージジングまでのあらゆる側面を制御し、
ファンに受け入れられるために細部にまで注意を払うことが可能になる。


多くの日本の子供たちと同様に、Ryoも押し付けられたピアノレッスンからドラゴンクエストシリーズの曲を引くことに
楽しみを見出していた. 10代前半の時、両親がシンセサイザーを買い与え80年代半ばのバンドブームの時にドラムを学んだ。
90年代にはいり、彼はスコットランドエレクトロニカデュオ「ボードオブカナダ」を知り、
急速にデジタル音楽にのめり込んで行った。ちなみに現在の好きなのグループは日本のクロスオーバーグループ
ブンブンサテライツだそうだ。このような広範な音楽分野への興味はRyoをオールラウンダの音楽家に育て
曲ごとにさまざまな楽器、スタイルに移り変わる。


スーパーセルのニューシングル"さよならメモリーズ"はSonyからメージャーデビュー後2枚目のシングルで、Nagiという名前の
若い女性の歌い手を採用した2曲目でもある。


ナギの背景についてはあまり知られていませんが、その声はいわゆるアニメ声で感情的にうたい上げています。
よく言えば若干Yuiをおもわせるが、B面のディスコーダントジャズポップ"教えてあげる"ではジュディマリYukiのように
金切り声でと指示され若干失敗したようだ。 しかし、このプロジェクトの他の若いアーティストのように
彼女も時間をかけてゆっくり定着していくのでしょう。


Ryoは「自分一人が歌詞のすべてを完全にコントロールすることは出来なくなったけれど、人間の歌手を加えることにより
リスナーの共感はより大きくなると思う」という。 このように、スーパーセルのまだ作られていない
メジャーデビューアルバムでもNagiがフューチャーされることでしょう
(ただしRyoもまもなく初音ミクに再度向かうことでしょう)ちなみに Ryoのキーボード以外の部分は、
セッションミュージシャングループのホモサピエンスが担当しています。


「"さよならメモリーズ"は2月に発売予定なので2月をテーマに曲を作りました」とRyoはいう。「日本では、4月は花見の季節
出会いと別れの季節です。だから2月は去年4月の桜の下での別れを呼び起こし、これからの新たな出会いに思いを馳せる。
そんな感情を込めてこの曲を作りました」


Ryoは、大の大人として女性の歌う情感的な歌詞を書くことになれるのが難しいと認める。しかし、それは当然だった。
結局のところ、スーパーセルの音楽は生きているかいないに関わらず若い女性が歌う曲であり、その線にそって歌詞を
書かなければならないと感じているという。


「最初、こういう女性的な表現を書き込むのは恥ずかしかったですね」と初音ミクを使い始めたころを思い出して笑う。
「始めて友達に曲を聞いてもらったところ散々笑われました。でも、もし16歳の少女が歌うとしたらやはり恋愛について歌うのが
一番自然だろうと考えるようになったんです。 時々自分自身でもなんでこんな詞かいてるんだろう?って思う時は
ありますけど」


彼の謙虚な態度やその華奢な体、奇矯な音楽遍歴を除けばいわゆるオタクには当たらないだろう。彼にはゲームをやったり
オンラインの書評で選んだ本を読んだりする以外は趣味らし趣味はなく、その代わり毎日一日中音楽をやっていたいという。
彼は将来、海外の歌手と仕事がしたいと思っているという(マッシブアタックのロバートデルナジャ(イギリスの歌手)や
サウンドガーデンの元ボーカルのクリスコーネル(アメリカのロック歌手)と仕事をするのが夢だそうだ)
英語はできないものの、英語版のVocaloidを購入する事も考えているらしい。


一方で、「人間のさまざまな感情がほとばしる」アルバム用の曲も制作中で、彼のセッションミュージシャンたちと
色々実験中だという。彼らはスーパーセル初音ミクの曲を録音し、よりアナログ感を出すためスピーカ再生したものを
再録音するなどしているという。このような遊び心のあるアプローチも用いるスーパーセルの音楽が非常に人々に訴えかけるのは
当然と言えるだろう


さよならメモリーズ"は2月10日発売です